情報学研究科 システム科学専攻 連携ユニット研究室紹介

  • 人間機械共生系講座
  • システム構成論講座
  • システム情報論講座
  • 応用情報学講座

 システム科学に関する幅広い視野を有する高度人材の養成を目的として、ATR脳情報研究所、理化学研究所脳科学総合研究センター、沖縄科学技術研究基盤整備機構との間で「計算神経科学連携ユニット」を設置し、また、NTTコミュニケーション科学基礎研究所との間で「計算知能システム連携ユニット」を設置する予定である。これら連携ユニットの研究内容は下記のとおりである。


計算神経科学連携ユニット(志望区分:シ-10(a)(b)(c))

  • 計算神経科学、ブレインネットワークインターフェース、局所回路情報処理、神経情報の解読、大脳基底核と神経修飾物質、進化ロボティクス

計算知能システム連携ユニット(志望区分:シ-10(d))

  • 統計的データマイニング、統計的パターン認識

各連携ユニットは当研究科教員のほか上記の他機関(一部の場合もありうる)からの連携教員で構成され、当研究科教員の主任指導の下で他機関の連携教員からの研究指導補助を受ける。その他の履修要件、修了要件は同一である。




国際電気通信基礎技術研究所連携 志望区分:シ-10(a)

教員:川人光男


当研究室では、ヒトの脳活動信号から脳に表現されている情報を解読し、その情報を使ってロボットを操作する研究に取り組んでいます。現在、特に下記の研究プロジェクトに参加する学生を募集しています。


(a)ロボットの運動学習制御

人間の運動学習機構の理解と計算理論の構築を目標に、ロボットを用いた運動学習制御法の研究を行います。 具体例としては、ヒューマノイドロボットを用いた人間動作の見まね学習および全身運動制御、多種センサ情報の統合、二足歩行ロボットを用いた動的な歩行運動の実現等を行います。 世界中から集まった学際的で国際色豊かなメンバーとともに、最新のロボットと計算機環境を用いて、ロボット学習制御技術の構築とそれを通じた人間の運動学習機構の解明を目指します。


(b)ブレイン−マシーン・インターフェース

ATRの脳計測、復号化技術とロボット技術を組み合わせ、脳活動から復号化された情報(運動意図など)を用いてロボットやコンピュータを制御する技術(ブレイン−マシーン・インターフェース)の研究を進めています。 身体を介さない新たな情報伝達手段の開発を行うとともに、復号化情報を用いてリアルタイムに実験を操作する新たな神経科学のパラダイムの創出を目指しています。




理化学研究所連携 志望区分:シ-10(b)

教員:深井朋樹


脳はニューロンがつくる神経回路によって情報を処理しています。またニューロン自体も回路によって伝達される情報を細胞内物質過程によって処理する高度なマシンです。 当研究室では、認知的行動の背景にある計算を、神経回路メカニズムのレベルから解明することを目指しており、実験と理論・モデルの両サイドの研究者が集まり研究を進めています。 大学院での主な研究テーマは以下のようなものです。


(a)神経回路情報処理

大脳皮質における情報処理の機能モジュールであるカラムの情報処理メカニズムの解明を目指しています。 本研究では、実験からのデータを検討し、また、情報処理機能の創出に応用しながら、大脳皮質、海馬、大脳基底核などの局所回路モデルを発展させ、情報処理の回路メカニズムを探っていきます。 また理論的に扱い易く単純化したモデルで、回路の基本的性質を探ることも重要です。


(b)神経活動データの解析による脳情報表現の解明

多細胞記録などの実験データの解析には、神経集団活動のデータから特徴的な構造を抽出し、行動に関連させていくための強力な情報学的な方法が必要です。 研究室で得られた神経活動データを中心に、神経集団活動の時空間構造の特徴を運動生成、記憶学習、意思決定などの高次機能と関係づけ、神経細胞と神経回路の情報表現を解明することを目指しています。




沖縄科学技術研究基盤整備機構連携 志望区分:シ-10(c)

教員:銅谷賢治


当研究室では、人や動物のように柔軟な学習能力を持つ機械やプログラムをいかに作るかという情報工学の問題と、脳の柔軟な学習能力はいかに実現されていのるかという神経科学の問題を、相補的に解いていくことを目標にしています。 そのため、ロボット実験、脳科学実験、学習理論の3つのサブグループが互いに協力しながら、沖縄の明るく国際的な環境のもとで研究を進めています。


 ロボットの脳をつくる: 自己保存と自己複製という生物にとって最も基本的な条件を満たすロボット集団を構築し、そこで必要となる学習と進化の機構を探っています。


 脳の働きを探る: 新たな行動を成功や失敗の中から学習する「強化学習」が、脳のどのような神経回路と物質の働きで行われているかを明らかにするため、ネズミの脳の神経活動記録、人の脳活動計測などの実験を行っています。


 学習の原理をきわめる: 未知の状況に柔軟に適応するためのベイズ推定と強化学習の新たなアルゴリズム開発と、その脳神経系の実験データからモデルを構築するためのツールとしての応用を進めています。

(Web page: http://www.nc.irp.oist.jp)




NTTコミュニケーション科学基礎研究所連携 志望区分:シ-10(d)

教員:上田修功


当研究室では、統計的学習理論の工学的応用を目指し、データマイニングとパターン認識という応用領域での技術開発と実データを用いた有用性の検証を行っています。


(a)統計的データマイニング

データマイニングとは、Webデータのような膨大なデータから、ルール、関係性、法則等の有用な知識を抽出する技術で、書籍やCDの推薦システム等で実際に活かされています。従来アプローチは、頻出パターン抽出に代表されるような数え上げアルゴリズムが主であったが、本研究では、統計的学習理論、ベイズ統計を土台にして、データの背後にあるデータ生成過程をモデル化することで、より高精度なデータ解析、予測技術の構築を目指しています。


(b)統計的パターン認識

人間は文字、音声、画像等のパターン情報を巧みに認識・理解することができます。本研究では、この人間の高度な能力を計算機で実現するための技術開発を進めています。具体的には、ベイズ理論に基づくパターン認識の原理的な基礎研究から、音声・音響信号処理や画像の自動アノテーション等のメディア応用研究も行っています。

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